私が診断書を貰うまでの経緯
動かなくなっていく身体
さて、元から医療はただの手段としか見ておらず、しかも音楽という他のやりたいことが明確にあった身なので、成り行きに任せて就職したもののモチベーションなど1ミリもありません。
普通の人が「いよいよ自分は医者なんだ!」と気を引き締める時期に、「自分はもう医者なんだ…」と思うと、ずぅんと憂鬱になる心。
「先生」と呼ばれるたびに虫酸が走るような感覚。
上級医に怒られて「あなたはもうお客様じゃないんだからプロの自覚を持って」などと言われようものなら、「嫌だ!!!お客様がいい!!!そんな自覚持ちたくない!!!」と拒否反応が凄かったです。
4月からその状態で、みるみるうちに鬱ループにハマっていきました。
次第に朝起きた瞬間から一日中、マラソン直後並の疲労感に襲われ続けるようになり、私だけ重力100倍になったか?と疑うほど全身が重くて起き上がれず、欠勤することが増えていきます。
通勤中は毎日のように泣いていたし、仕事中もただ立っているだけで辛くてたまらない。座り込んで動けない、頭が回らない、何もできない。
仕事終わりや休日も疲れ果てて外出する気力が残っていない、そもそも起き上がれない、ベッドの上でゲームすらできない、音楽も聴けない、動画も見れない。ただ屍のように天井を眺めるだけ。
さらに状態が悪化すると、起きている間中、暇さえあれば自殺について検索するようになりました。
スマホの検索履歴が「首吊り ロープ 結び方」「飛び降り 何階 確実」などといった物騒な言葉で埋まり、夜は毎晩悪夢にうなされて悲鳴を上げ、朝は金縛りに合って幻聴を聞き、ちょっと流石にヤバくなっていきました。
研修医の3割は鬱
研修医の3割は鬱だといいますが、実際に鬱病の診断がついているのはそのうちどのくらいなのでしょうか。多分1割以下ではないかと思います。
そのくらい心療内科、精神科を受診するというのはハードルが高いですよね。
めちゃくちゃギリギリの精神状態になって、ちょっともうヤバイ、死ぬ!!となってから受診する人がほとんどだと思います。
が、私の経験から言うと、別に行って損する訳でもなし、少しでもおかしいと思ったら気軽に行っていいと思います。薬を飲んだからって完治するわけではないですが、実際それなりには効きますし。
というかむしろ「あれ?なんか自分おかしい?」ぐらいの状態の時に行く決意を固めた方がいいです。何故なら心療内科はとにかく予約が取れないから。勇気を振り絞って電話しても「初診の方ですと2ヵ月先になります」が3軒続いたりするとゲンナリですよね。
私の場合はたまたますぐに予約が取れる心療内科を数軒目で探し当てましたが、ほんと、少しでも異変を感じたら受診してください。近所のお年寄りなんて熱が37℃あるだけで救急受診してくるじゃないですか。そのノリで受診してください。
別に、行って「そのくらいなら普通なので大丈夫です」と言われたならそれはそれでいいんです。
声を大にして言いたいのですが、初期研修ごときで若い時間を鬱々と過ごして棒に振るのは勿体ないです。薬キメてでも生産的に動いた方がいいに決まってます。
経済的理由でドクターストップを無視
私は心療内科に行った時、1年目の6月でしたが既に相当ヤバイ状態だったため、主治医が強めの口調で入院or自宅療養を勧め、頼んでもいないのにあれよあれよという間に「1ヵ月の休職を要する」という診断書が受付で渡されました。
が、働き始めて間もない研修医、入院なんてそんなお金はありません。
自宅療養?療養なんかしてたらすぐ家賃滞納で自宅がなくなるよ!
当然のごとく実家も頼れません。
一応悩んだ挙句に親に連絡もしてみましたが、「援助はしない。お前が鬱なわけない。働け」と一蹴されました。知ってました。
まあ握り潰しますよね。
診断書は主治医が発行しても、自分が職場に提出しなければ効力を発揮しません。私は薬が欲しかっただけで研修を休むという発想は当時はなかったため、診断書を家のゴミ箱に捨ててなかったことにし、そのまましばらく働き続けました。良い子は真似しないでください。
診断書の貰い方と書き方のコツ
この状況で何が正解だったのかは今でも分かりませんが、おそらく「要休職」ではなく「要配慮」の診断書を書いてもらい、勤務軽減について職場に相談することではないかと思います。
「要休職」の診断書は発行した日付から効力を発揮するので、「出してすぐ休職」になります。意外と診断書の内容ってこちらの要望で融通利かせてくれるので、すぐに休みたくない場合はとりあえず「要配慮」と書いてもらうのが丸いです。
それを職場に提出した上で、当直を無しにする、午前だけor午後だけの時短勤務にする、週4勤務にする、など要望をとりあえず伝えることが大切だと思います。
いきなりそんな我儘を…とこれまたハードルが高いですが、ゆるふわ勢にとって初期研修は実際耐え難い負担。ちゃんと診断書が出ているのですから、恐れることはありません。
病名がつくのに抵抗がある場合は、診断名は「うつ状態」としてもらうのが都合がいいと思います。
この記事を書いたのは
ハイポの極みゆるふわ研修医。初期臨床研修医中断に関しての記事を書いている。文章からはゆるふわに研修を修了するためは努力を惜しまないという気概すら感じさせる。
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