看護師として総合病院での勤務経験のあるRAYです。
総合病院での勤務後クリニック、介護施設での経験を経て現在はライターをしています。
近年多様化する医療ニーズにこたえるために、
チーム医療の理念で医療サービスを提供しています。
チーム医療となると医師など有資格者がするものと思われるかもしれませんが、
医学部で学ぶ医学生のうちからチーム医療を意識してほしいもの。
ここでは、臨床実習のうちから医学生にも意識してほしいチーム医療について詳しくお伝えします。
医学生のうちからチーム医療を意識するもの?
医学生の方の中には
「チーム医療を臨床実習で意識しても学生の立場だからやりづらい」
と思うかもしれません。
たしかに、経験豊富な看護師たちからは、医師の卵であってもしょせん学生として見られて、相手にしてもらえない可能性もあるでしょう。
しかし、医学生のうちからチーム医療を学ぶことは非常に大切であるといえます。
これについては、現役医師たちも、とあるアンケート調査で明言しています。
医学生のうちからチーム医療を学ぶことで、
医療職と患者さんとのかかわりについて理解できたり、それぞれの医療職の強みや弱みを知ることができたり
と医学生にとっては非常に学びにつながるものであるとしています。
医学生のうちからチーム医療を意識することはなかなか難しいとはいえ、
医師の立場からも医学生のうちからチーム医療は意識をしてほしいと捉えているようです。
看護師も近年は学生から、チーム医療を学ぶ機会が多いので、一緒に仕事をしていくことになる医師もチーム医療を早い段階から、チーム医療の理念を見につけておくと、医療機関で多職種からも重宝される医師になれるかもしれません。
実際に医学生がチーム医療を学べるタイミングは実は医学部卒業後
早くから身につけておきたいチーム医療ですが、医学生のうちに学べる機会は非常に少ないようです。
アンケート調査によれば医学部生5~6年生のうちに、チーム医療の必要性を感じたものの、実際に学べる機会がなかったという学生が40%おり、初期研修中でも多職種連携を学ぶ機会がないと回答した方も約20%いました。
医学生のうちに学べるタイミングが少ないですが、全く学ぶタイミングがないというわけではありません。
なので、学べるタイミングがきたら医学生でも積極的に医師に混ざってチーム医療を学んでほしいといえます。
積極的な医学生の姿勢を見れば、ベテランの他の職種も、学生だからではなく1人の医師としてみてくれるかもしれません。
また、ベテラン以外の看護師は医学生であっても1人の医師としてみていることがほとんです。
医学生という第三者の視点は参加したチームにとても良い影響をもたらしてくれるというのが実体験で感じたことです。
学べるタイミングが来たらぜひチームに積極的に参加して積極的に発言をしてほしいものです。
医学生がチーム医療を学べるのはどんな臨床実習?
医学生は他の職種と異なり、すべての臨床実習でチーム医療を学ぶことは難しいといえます。
それでは、医学生はどの臨床実習でチーム医療を学ぶことができるのでしょうか。
臨床実習でチーム医療を学べるタイミングは2つあります。
1つ目は、看護学生や薬学生がいる実習です。
多職種が関わり実習ではそれぞれの、役割を学ぶことができますし、それぞれの職種についての理解を深めておけるので、医師になったときに、スムーズにチーム医療に溶け込めるといえます。
2つ目は、在宅領域など地域に関わる臨床実習です。
地域に関わる臨床実習ではもともと多くの職種が関わっているので、自然にチーム医療の輪に溶け込めるといえるでしょう。
看護師などほかの職種から見ると、医師は同職者として対等にチーム医療に関わってくれる存在というよりもトップダウンの関係性に陥るものと見られています。
特に若い看護師たちは看護学生のうちから、チーム医療を学んできているので、
医学生のうちからチーム医療を学んでおくことで医師になった時に、若い看護師とも難なくチームを築くことができるでしょう。
医学生のうちからチーム医療の感覚を身に着けたい!そんなあなたにできること
臨床実習では学びの機会が得られないかもしれない。
でも、医学生うちからチーム医療の感覚を身に着けたい。
そんな医学生に学生のうちからできるのは、
「他の学部と交流すること」です。
医学部のみの交流では、医師だけと交流しているのと同じこと。
医学部の常識が当たり前と思ってしまうと、
いざ医師になって他の職種と交流しようとなった時にその常識が崩され、違和感を覚えたり、医師としての在り方を考えてしまうことになったりします。
大学の部活やサークルなどを活用して積極的に他の学部と交流してみましょう。
この交流こそ、多職種連携の第一歩となるといえるでしょう。
ほかにも、まだ余裕のある学生はアルバイトやボランティアなどあえて医学生が身を置かない分野でチャレンジしてみるのも良いです。
とにかく医学生がいないという環境で、他の環境やほかの学生を俯瞰して見ることも、地域連携のために医学生のうちからできる、最初の一歩といえるかもしれません。
実際に臨床で働いてみても、
医学部にどっぷりとつかったがちがちの医学生よりも、いろいろな環境に身を置いて、いろいろな人と学生時代に交流を深めてきた医学生の方が、1人の医師としても評価が高い傾向にあります。
いろいろな世界を知っていて考えの引き出しが豊富なことはもちろん、どんな患者さんやどんなスタッフとも円滑にコミュニケーションができる力は高い評価を得ることができるでしょう。
医学生のうちからチーム医療を意識してみよう
医学生のうちから臨床実習などで、チーム医療の必要性を意識する機会がある一方、医学部在籍中にはチーム医療について学べる機会が少ないといえます。
ですが、チーム医療の理念を理解できていない医師は、
いざ、医師免許を取得して臨床で働いてもほかの職種とうまく連携が取れないことも。
いくら医師としてのスキルが高くても他の職種とうまく連携が取れなければ医師としての評価は落ち、嫌煙されてしまうこともあります。
臨床実習の期間や内容は限られているので、まずは、日常の学生生活の中でチーム医療の感覚を養っていくとよいでしょう。
参考
https://igakkai.kms-igakkai.com/wp/wp-content/uploads/2018ky/ippannkyouyou44)31-38.2018.pdf
http://students.umin.jp/files/101128teammed.pdf