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医学部で部活・サークルに入るメリットと勉強との両立方法

医学部の学生は授業や試験、実習のための勉強に追われているイメージがありますが、実は勉強と両立して部活に入っている人が多いことをご存じですか。この記事では医学生の部活事情や医学生が部活に入るメリットとデメリット、勉強と両立するために知っておきたい部活の選び方について解説します。

医学生の部活事情

医学部にも他学部同様に本格的な運動部から吹奏楽部や合唱部、医学研究会などの文化部まであり、多くの医学生が忙しい勉強との両立を図りながら、部活動を楽しんでいます。
ただし、これらの部活は入部する学生のほとんどが医学部生であることから、他学部の部活やサークル活動とは少し異なる特徴があります。

医学部生向け部活の特徴

医学生をはじめとする医学部の学生が中心となって活動する部活の多くは、医学部の学業スケジュールに合わせて活動予定が組まれています。そして、他学部に比べると部活の規模が小さく、その分部活内の人間関係が密になるのが特徴です。

さらに医学部生向け部活の特徴として、医学科の学生しか出場できない体育大会「全日本医科学生体育大会王座決定戦(全医体)」があります。

この大会は東日本ブロックに加盟している運動部で競う「東日本医科学生総合体育大会(東医体)」と、西日本ブロックに加盟している運動部で競う「西日本医科学生総合体育大会(西医体)」の優秀成績者のみが出場できる大会で、医学生の日本一を決める大会とあって、運動部に所属する医学生の大きな目標になっています。

この大会を目指す運動部は、陸上競技、硬式野球、テニス、卓球、サッカー、水泳といったメジャーどころから、ヨットやボート競技、馬術といったコアな競技、アイスホッケーやスキー競技などの冬季種目など、多岐にわたります。

そして多くの運動部ではまず東医体・西医体を目指すため、どちらかと言うと娯楽性の勝るサークル活動よりも厳しめで、練習メニューもかなり本格的なところが多いです。

医学部の部活に入るべきか

部活やサークルの加入はもちろん任意です。全日本医学生自治会連合が2021年4月1日に公開した2020年の医学生の実態調査によると新入生のサークル所属率は80.6%と高いですが、部活に入らない医学生もそれなりにいることがわかります。

この調査はコロナ禍で行われたことを考慮しなければいけませんが、必ずしもすべての医学生が部活に入っているわけではありません。

【参照元】全日本医学生自治会連合|医学生の声を届ける!コロナ時代の意識と生活の実態調査最終報告書

医学生が部活に入るメリット

前述した報告書からもわかるように多くの新入生が部活に入部しています。これは部活動を純粋に楽しむ目的はもちろんのことですが、実は部活に入ることで数多くのメリットが得られるからです。

医学部の授業や試験に関する情報が手に入る

入学当初は誰でも友達が少ないものですが、部活に入ることで同学年の友達ができる可能性が高いです。そして医学部では授業や試験を乗り切るための情報収集が大切です。

部活によって同級生という「横のつながり」が得られたことで、授業や試験での重要なポイントだったり、試験対策の資料だったりなど、有利な情報が入手しやすくなります。

また、試験前や実習前は誰でも不安な気持ちになりますが、部活や将来で同じ目標を目指す同期がいることは大きな心の支えになります。

縦のつながりができる

部活に入ると「同級生=横のつながり」だけではなく、先輩(OB・OGを含む)や後輩との「縦のつながり」もできます。

特に先輩がいることで、どの授業が単位をとりやすいか、どの授業が大変か、実習のコツなど役に立つ情報を教えてもらえたり、過去問や試験対策プリント、使わなくなった高額な教科書や参考書を譲ってもらえたりもします。

また、部活のOBOG会が開催されれば、現役の医師から話が聞けて、なかには就職の便宜を図ってくれることもあるそうです。さらに学年が上がって後輩ができれば、後輩の相談を受けることで自分のスキルアップにもつながることでしょう。

気分転換になる

日々ハードな勉強漬け一辺倒では、モチベーションを保つのも難しいものです。そんな医学生の生活のなかで好きなスポーツや演奏に打ち込んだり、部活仲間と雑談に興じたりするのはいい気分転換になり、再び勉強に向かうための原動力になります。

また、規則正しいスケジュールで活動することの多い部活動では早起きが日常的になるなど生活にメリハリがつき、より充実した大学生活を送れることでしょう。

他大学とのつながりができる

東医体・西医体などを通して、他大学の医学部と交流する機会も生まれます。同じ競技に打ち込む者同士意気投合もしやすいですし、ほかの医学部の話を聞いてみるのはなかなか興味深く、自分の大学や勉強環境などを他者の視点から見直すといった視野の広がりにも一役買ってくれます。

また、医学部生同士ということで、将来の医師同士のつながりを作るきっかけにもなります。なかには彼氏・彼女との出会いの場となった、なんてケースもあります。

MediE医師講師 凛子 先生のワンポイントアドバイス

先輩やOB・OGとの縦のつながりができるのは、医学部生にとって大きなメリットです。部活の先輩がポリクリ(臨床実習)で回る研修病院にいたら、有益な情報をもらえることもありますよ。

医学生が部活に入るデメリット

ここまで医学部生が部活動に参加するメリットを挙げてきましたが、当然デメリットもあります。部活に入ったことを後悔しないためにもデメリットを知っておきましょう。

お金の負担がかかる

部活によって違いはありますが、部費や道具・ユニフォーム代以外にも、大学の部活動ならではの費用として、部活内での飲み会(コンパ)や新入生勧誘活動にかかるイベント代などが発生します。その額は1回あたりで考えればそう高額ではなかったとしても、回を重ねればそれなりの額になります。

ほかにも練習試合や大会があれば、交通費や宿泊費、現地での食費といった遠征費用もかかります。会場が遠方になればなるほど、滞在日数が長引けば長引くほど、楽しさや充実感と比例して費用もかさんできます。気になる部活がある場合には、入部前に費用について確認しておきましょう。

勉強に使える時間が減る

部活動に割く時間は活動そのものだけではありません。部活前の準備や片付け、部活後の流れでご飯に行くなど、思っている以上に時間がとられます。さらに部活によっては土日祝日も練習や遠征、試験前も通常通りの練習なんてこともあります。

このような状態が続けば、勉強に使える時間が少なくなり、勉強との両立が困難になって部活に入ったことを後悔するかもしれません。

とはいえ、両立のための条件はみな同じですから、やってやれないことはありません。先輩や仲間からアドバイスをもらい、より効率のいい勉強スタイルを身につけることもできるかもしれません。

人間関係が面倒なケースもある

部活によっては飲み会やイベントが盛んなところもあります。こういったイベントが好きな方は問題ないかもしれませんが、そうではない方にとっては、イベントへの参加を頻繁に強いられるのはキツく感じられることでしょう。

特に医学部は定員数の少ない小所帯の学部ですから、さらに狭い範囲のコミュニティとなる医学部の部活で人間関係がこじれると、その後の活動がしづらくなることもあります。

勉強と両立するための医学生の部活の選び方

医学生は座学が中心の1~2年生のうちはともかく、学年が上がれば解剖実習や臨床実習開始前に行うOSCEやCBTに向けて猛勉強しなければならず、年々忙しさが増します。学生期間中、勉強と部活を両立するなら、部活を選ぶ際にはいくつか確認しておくべきポイントがあります。

活動内容

あなたが大学時代をかけて勉強と両立させたい活動は何でしょう。受験が終わったら始めてみようと思っていたこと、中学校や高校からやってきてこれからも続けたいことなど、新入生勧誘の雰囲気にのまれることなく、自分がやりたいことができる部活を選ぶのが一番です。

大学の部活動は前述したようにそれなりにハードではありますが、好きな活動であれば充実した時間が過ごせるはずです。

ただし、練習がハードであればあるほど、体力の消耗は激しく、医学部に入学した本来の目的である医師になるための勉強が疎かになっては意味がありません。体力的についていけそうな活動力なのかを練習の様子を見学したり、先輩に聞いたりしたうえで入部を検討しましょう。

活動時間

どれだけ参加してみたい部活であっても、活動時間の多さによっては事前に思い描いていた勉強やバイトとの両立の難しさで続けられなくなるかもしれません。部活、勉強、バイト、友達付き合いなど、大学生活ではやりたいこともやらなければならないことも想像以上に盛りだくさんです。

生活全体の時間配分を考えながら、どの活動にどれだけの時間を割けるのか、入部を検討している部活の活動時間は無理なく両立ができる時間帯・活動時間なのか、検討する必要があります。

目安としては週2回くらいの部活動であれば、比較的勉強と両立しやすいと言われていますが、部活のなかには「練習頻度は週2回」とうたっていながら、「自主訓練(自主練)」という名目で練習に参加させるところもあります。そのため、自主練の有無や参加頻度などについても入部前に詳しく確認しましょう。

雰囲気

活動内容や活動時間といった条件面のチェックも大切ですが、部員の様子や部活の雰囲気のチェックも同じくらい大切です。入部してから「こんなはずではなかった…」と後悔することのないように、入部前に自分に合った雰囲気のところか、様子を見ておくことをおすすめします。

例えば、「先輩の言うことは絶対」という封建的な雰囲気ではないのか、上下関係は厳しいか、優秀な先輩は多いのか、学業との両立ができずに留年している先輩はいないかなど、あらゆる部分を確認し、自分の性格や考え方にフィットしている部活かを見極めましょう。

いくら好きな活動であったとしても雰囲気が自分に合っていなければ、続けていくのは困難です。

また、入部2年目以降は自分が先輩の立場になります。先輩の立場になって後輩を育て、部活を盛り立てていく役割になっても続けていきたい部活かどうか、そういった点も併せて入部を決めましょう。

MediE医師講師 凛子 先生の体験談

私の場合は勉強でいっぱいいっぱいだったので、部活には所属しませんでした。ですが、ここまで説明してきたとおり部活に入るメリットは数多くあります。

ただ、医学生のなかには勉強と部活を両立できずに留年してしまう方もいるので、そうならないように勉強と部活の時間配分をうまくとっていくことが大事です。

まとめ

医学生の部活事情をはじめ、医学生が部活に入るメリットとデメリット、そして勉強との両立を可能にするための部活の選び方について紹介しました。部活動は自分の可能性や人脈を広げるのにうってつけです。しかし、医師を目指すための学業が部活によって疎かになっては意味がありません。

MediEには医学生特有の悩みに共感できる現役医師講師が揃っており、医学生一人一人に合ったカリキュラムを作成し、国試合格をサポートします。普段の勉強や学校生活に関する相談も受け付けておりますので、部活と勉強の両立にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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