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【医学生向け】基礎医学では何を学ぶ? 重要な科目と勉強法

医学部に入学してから最初の2年間は基礎医学の講義がメインになります。基礎医学で扱われるテーマは非常に多岐にわたります。学ぶべきことが多すぎて、頭がパンクしそうになってしまう学生もいることでしょう。そこで本記事では、基礎医学で学ぶ基本的な内容と学習方法を紹介します。

基礎医学で学ぶ内容は?

基礎医学とは、人体の基本的な構造や機能、病気のメカニズムなどを学ぶ学問です。基礎医学では、すべての医師が医療に従事する上で知っておくべき基本的な概念や原理を学習します。

医学部では主に1~2年次に学ぶ内容ですが、臨床医学を学習する際にも基礎医学の知識は前提となってくるので重要です。

基礎医学と一口に言っても、その分野は解剖学や生理学をはじめとする多種多様な科目によって構成されています。

これらの科目の詳しい内容は後述しますが、覚えるべきことが非常に多いので、正しい知識を習得するには計画的な学習が必要です。

基礎医学と臨床医学との違い

医学は基礎医学臨床医学の2つに大別できます。人体構造などの原理を学ぶ基礎医学に対し、臨床医学は、これらの原理を実際の医療現場で応用するための学問です。

臨床医学では、実際の医療現場において患者を診断し、治療するための知識や技術を学びます。また、病気の予防や健康増進にも関わってきます。

両者の違いを単純化すれば、基礎医学はより理論的なものであり、臨床医学はより実践的なものです。それぞれを専攻した場合の卒業後の進路は、基礎研究医と臨床医と分けられます。

基礎研究医は病気志向、臨床医は患者志向と言ってもよいかもしれません。とはいえ、基礎医学と臨床医学の双方には密接な関わりがあります。

基礎医学は病気の原因やメカニズムの原理的な解明に欠かせず、臨床医学は基礎医学の成果を単なる机上の知識にしないために必要です。

たとえば2012年にノーベル生理学・医学賞を取って話題になったiPS細胞は基礎医学分野の研究成果ですが、将来的には臨床の場で再生医療の手段として活用されることが期待されています。

基礎医学で重要とされる科目は?

基礎医学にはさまざまな科目が含まれ、基本的に以下の7科目が扱われます。

解剖学 人体の臓器・筋肉・骨格などの物理的な構造を学ぶ学問
生理学 人体の細胞・組織・器官などの機能や相互作用を学ぶ学問
生化学 細胞や分子レベルでの生物学的機能を化学的に学ぶ学問
薬理学 薬物(化学物質)が人体にどのように作用するかを学ぶ学問
免疫学 人体の持つ免疫機能を学ぶ学問
細菌学 疾患の原因となる細菌やウイルスの形態や病態などを学ぶ学問
病理学 病気の原因、起源、性質、検査方法などを学ぶ学問

ただし、学校によって基礎医学で扱う科目は異なり、上記に加えて「寄生虫学」や「微生物学」などが含まれる場合もあります。いずれにせよ、この中でも特に重要なのは解剖学や生理学であり、両者とも後に学ぶ臨床医学の基礎となる部分になります。

そこで以下では、解剖学と生理学それぞれの内容や違いをより詳しく解説します。

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1. 解剖学

解剖学とは、人体の物理的な構造を研究する基礎医学の一分野です。

解剖学では、骨、筋肉、臓器、血管など、人体の各器官の構造や位置関係などを学習します。解剖学はその内部に、骨学・組織学・肉体解剖学・発生学などの研究分野も含みます。

解剖学を学び、人体の構造とシステムがどのように相互作用するか知識を深めることは、医師が患者の症状を見極めたり、必要な治療を決定したりするために重要です。

人体の構造がどれだけ複雑か考えればわかるように、解剖学で学ぶべきことは非常に多くあります。暗記量が多いので座学も大変ですが、やはり特に医学生が苦労するのは人体解剖実習でしょう。

この実習では、ご献体を隅々まで解剖して実際の人体の構造を観察します。医学生にとって初めて人体にメスを入れることになるため、精神的にも非常にハードです。

2. 生理学

生理学とは、生物をその機能面から研究する基礎医学の一分野です。この研究領域では、細胞内の各分子や酵素の働きから各臓器の相互作用に至るまで、人体の機能を物理学的・化学的側面から学習します。

そこでカバーされる範囲は、代謝・消化・呼吸・循環・生殖など非常に広大です。医学部の講義においては座学での学習はもちろん、実験実習なども行われます。

生理学を学ぶことで、人体は健康状態においてどのように機能しているのか、さまざまな環境や刺激に対して人体がどのように反応し、適応するのかを理解します。

逆に、病気が人体の正常な機能をどのように阻害するのか、それを改善するにはどのようにすればいいのかなども範囲に含まれるので、臨床医学とも強い関連性を持っています。

「解剖生理学」と言われることもあるように、生理学と解剖学はしばしばセットで扱われますが、両者は異なる科目です。解剖学では身体の構造や位置関係などを学ぶのに対し、生理学ではそれらの構造がどのように機能するのかを学習します。

たとえば、解剖学的には、心臓を形成する弁や心室、静脈、動脈などがどのように繋がっているのかを扱います。一方、生理学的には、心臓が人体の中でどのような働きを持つのかを扱うことになります。

基礎医学の効果的な勉強法

解剖学や生理学をはじめ、基礎医学では多くの科目を扱うため、学習につまずく学生は少なくありません。そこで以下では、基礎医学を効果的に学習するための勉強法を紹介します。

用語の語源や臨床での使用例も意識する

基礎医学で苦戦しがちなポイントは、膨大な専門用語が出てくることです。

基礎医学では日常的にはなじみの薄い横文字の専門用語が大量に出てくるため、それを覚えようとするだけで頭がいっぱいになってしまうかもしれません。

しかし単に機械的に丸暗記するだけでは抵抗感を覚えやすく、その用語が何を意味しているのかイメージするのも難しくなってしまいます。

そのため、専門用語を覚えるときは単に文字列として記憶するだけでなく、語源や成り立ちも意識することが大切です。一見して長大な横文字も、原語に置き直して語源を調べてみると、至ってわかりやすい熟語として成り立っていることがあります。

また、臨床でどのように使用されるのかも意識することで、イメージが膨らみ、記憶しやすくなるでしょう。解剖学であれば、各器官の構造を自分で絵に描いてみるのもおすすめです。

参考書や本を活用して知識を補う

教科書だけでなく、参考書や一般書などの資料も広く活用することも大切です。学生の中には、高校のときに生物を選択しておらず、基礎知識がない状態から勉強を始める人も多いでしょう。

こうした場合、直接教科書で勉強しようとしても、前提となる基礎知識が欠けていて学習効率が悪くなる場合があります。

そのため、基本的な情報や全体像の把握をするために、基礎知識をまとめた書籍が役立ちます。理想としては、文章だけでなく図解なども豊富に交えたものを選ぶと理解が進みやすいでしょう。

MediE医師講師 凛子 先生のワンポイントアドバイス

勉強がうまく進まず、試験が不安なときは、まず過去問を繰り返し解きましょう過去問を解けば、全体的な出題傾向や重要となるポイントが把握できるので、効率的に勉強を進められます。

わからないところがあれば、レジュメや参考書を使用して、過去問から枝葉を広げていくように知識を深めていくといいでしょう。

解剖学や生理学を学習する際には、以下の参考書がおすすめです。

『イラスト解剖学』(松村讓兒 著、中外医学社、2021年)

難解な解剖学を豊富なイラストで解説しており、とてもわかりやすい参考書です。

『人体の正常構造と機能』(坂井建雄・河原克雅 編、中外医学社、2021年)

通称「黒本」です。解剖学も生理学もすべて網羅して学べます。私が学生のときも周りの人はみんな持っていました。スマホやタブレットで学べる専用アプリもあります。

まとめ

解剖学や生理学を主とする基礎医学は医師になるための基本的な医学的知識を身につけるために重要な学問です。医学部の1~2年生は、まずは基礎医学の知識を習熟していなければいけません。

しかし、基礎医学は科目数が多く、覚えるべきことも膨大であり、苦戦してしまう学生も少なくありません。もしも独学で基礎医学の勉強につまずいているのであれば、医大生向けの学習サポートサービス「MediE」をぜひご利用ください。

MediEでは、現役の医師講師が一人ひとりの生徒に合わせた最適なカリキュラムで学習をサポートします。独学での勉強に行き詰まりを感じている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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