前回の記事で理想の医師像を40字と100字で書いてみましたね。
今回はなぜ40字と100字が大事なのか、実際に400文字で課題を書きながら触れながらお伝えします。
前回の記事を読んでいない方はこちらをご覧ください?
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また、動画でも解説していますのでこちらもあわせてどうぞ!広告は非表示です。
一般的な小論文での構成
一般的に小論文の構成は以下のような構成が良いとされています?
①序論(問題提起・意見提示:全体の5-10%)
②本論(理由、論拠、具体例:全体の80-90%)
③結論(まとめ・結語:全体の5-10%)
しかし、私が提唱するのはここに「理想の医師像」を加えることです。
医療系小論文の構成
前回の記事でも触れたように医学部入試や病院のマッチングではあなたは「医師として働くこと」というのが大前提で評価されます。
ならば一人の個人としてということよりも「“医師”である私」という視点で書きましょう。医師になった自分を想定してください。
どういうことかよくわからないという方、クラスの教室での自分、部活での自分、家の中での自分、一人の時の自分…全部同じ自分だと思いますが、違う顔を持っていますよね。
今まで自分が築き上げてきた人格の中のどこに当てはめるのが一番しっくりくるのか、もしくはもう一人作り上げようか、ある意味、役者になったつもりで書いてみましょう。
書き方としては、序論に「理想の医師像を」打ち出すと書き出しがかなり楽になります。
つまりこうなります?
①序論(問題提起・意見提示・【理想の医師像】:全体の5-10%)
②本論(理由、論拠、具体例:全体の80-90%)
③結論(まとめ・結語:全体の5-10%)
今回は文字数を①序論を全体の5%、理想の医師像を全体の5%、②本論を全体の85%、③結論を全体の5%として書いています。もちろん、割合は前後しても問題ありません。
こうすることで、①~③の部分が「理想の医師像」に帰着できるようになります。どういうことか、具体的に小論文を書いて示してみましょう。
仮に医学生の病院のマッチング試験で「尊敬する医師」というお題が出たと想定して、私の「理想の医師像」の参考例を使って書いてみます。
「私が尊敬する医師は学生の頃に出会った貴院○○科の鈴木先生です。なぜならば、私の理想とする医師像は『すべての患者に最高の医療を提供できる医師』なのですが、貴院の鈴木先生はこの私の理想とする医師像の〇〇という部分で…」
などとつなげることができます。
実際に医療系小論文の構成に沿って書いてみる
では実際に400字で書いてみましょう。
序論
このように①序論に前回の記事で「40字以内」で書いた理想の医師像を組み込んでいます。この序論は6行分を使っているので120/400字分(全体の30%)をここで使用していますが、これくらいの誤差ならあまり気にすることではありません。文字数制限が400字と文字数が少ない課題ですので、ここで使用する「理想の医師像」は40字のものとしています。
本論
次に②本論です。こちらも文字数制限が400字の小論文の場合はそもそも多くを書くことはできません。そのため具体例を挙げたところでどうしても説得力がある文章になりにくいでしょう。しかし、それはどの受験生も一緒なので気にすることはありません。ここでは11行、220/400字(全体の55%)で書ききっています。
架空の話でも良い
ここでは鈴木先生という人物のエピソードを書いています。ぶっちゃけてしまいますが、私が実際に会ったことのある人ではありません、架空の人物です、そしてエピソードも架空です。もちろん実際に会ったことのある人で本当に尊敬できる人がいる場合はその人のことを考えて具体的なエピソードを書いていきましょう。その方が情熱をもって伝えられるはずですので笑
読んでみると分かるかと思いますが、400字制限だとかなり薄い内容です。もちろん、文字数制限が1,000字などと長くなってきたらこの具体例のところをもっと肉付けしていきましょう。
結論
最後の③結論ですが、ここでは最後におさらいをする感じです。同じ言葉を繰り返すことになりますが構いません。大体結語は「以上のように○○の理由から~」となってきます。ここは正直何も考えることなく何とかの一つ覚えみたいに書いてあげればそれで大丈夫です。
一気に書くと読むのがつらくなると思いますので、今回はここまで。
この記事を書いたのは
医師、株式会社YTN代表、医療エンタメ主宰。留年も浪人も経験。会社経営とともにフリーランスの医師国家試験対策講師を行っている。このウェブページではライターとしてだけではなく、寄稿された文章の校正・校閲、編集作業も行い、各方面との連絡調整を行っている。取締役というよりは取り締まられ役。